見つけた。
十七歳のあたしは、昔、廃墟で迷子になったらしい。



その時なぜ廃墟にいたのか、どこの廃墟なのか、誰といたのか、全くわからない。



ただ、夕焼けを見ると、最近少しずつだけど、廃墟の場所が頭に蘇ってくるようになった。





昼間も真っ暗で何がいるかもわからない。


まるで世間から見放されたような、孤独な廃墟。







もういいかい?





頭によぎったのは男の人の声だった。

< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop