やんきーwithお姫様

カツカツカツ…


この風景…
煙臭い…ホコリっぽい…落書きだらけ…
破られたテスト用紙…
生徒の怒鳴り声と悲惨な音…


「───…………」


本当にはじめて…

自由で…うらやましい…


縛られていなくて…自分を持っている…


「おい!」
「───……はい?」
「なんで女が居やがる?」
「この学校の生徒会長はどなた?」

「生徒会長?んなモンここには居ねーよ。」
「え…?」
「だけどここのリーダーは祐哉だ。屋上に居る。」
「どうもありがとう。ごきげんよう。」

わたしは軽く会釈して屋上へ向かった。



………………



屋上…?
ここかしら…。

開いてる…


人………?



「───…………っ!」


素敵…
真っ直ぐな目…
黒い髪…
その微笑み……


「誰だよ!!」





「………?!」

え!?二人いたの…?

「貴方が祐哉って方…?」

「ああ。オレが祐哉だ。テメェ誰だよ。」

「わたしは聖・鈴蘭学院生徒会長の姫嶋華歌よ。」

「で…?鈴蘭の女が何の用だ…?」
「貴方たちに喧嘩をやめて頂きたいの…。」
「はぁ!?バカじゃねぇの!?」
「え?」

「オレ等は殴り合ってナンボなんだよ!」
「どういう事?」
「お前に俺等を止める権利は無いって事だ…。」

「意味が分からないわ。どうしてわたしたちが嫌な思いをしなければならないの?」
「それは…まぁ…悪ィ…」

「はぁ…」

わたしがため息を付きフェンスに寄りかかった瞬間………



ガシャーン!!


フェンスが崩れて……


「きゃっ…!」
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