神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 ロキの楽しい笑い声が聞こえてきて、一人取り残されたシャクナは安堵した。

 きっと泣いていた。

 マスターは酷く傷つきやすく、脆いから。
 
 そのために私たちがいるのだ。

 転がったミッシェルの穏やかな死相に、シャクナは歯噛みした。

 
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