神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 恐ろしく思った。

 この先誰にも触れられないと思うと。

 だがそれと同じくらい、今の扱いに納得がいった。

 触れただけで殺せるだなんて、兵器と同じだ。

 危なく、恐ろしく、出来るだけ遠ざけておきたいだろう。

 幽閉されていることに怒りはなく、むしろそんな自分の存在と力を心から呪い、幽閉されていることで誰も傷つけないですむのだと感謝さえ覚えた。

 
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