神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 「…ロンユウ!」

 「ああ」

 シャクナの叫びに、視界の先にいた龍雨が頷いた。

 「…マスター、静めてください。恐怖の捌け口に人を殺してはいけません」

 言えば、ロキは静かにシャクナを一瞥し笑った。

 「別に我を忘れたわけじゃないんだよ」

 ビリビリと伝わる殺意の気にシャクナは息を呑んだ。


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