神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

何故気絶したのかは知らないが、なんだか頭の中がすっきりしたミッシェルが全身血に濡れたロキを見て目を見開いた。

 「ロキ!その怪我」

 「なんとも無いよ。シャクナの血だからね、これ」

 そういえば戦う前からシャクナと龍雨は怪我をしていたんだと思い出し、ミッシェルは二人を見た。

 シャクナの髪を櫛で梳かしながら、ロキはミッシェルに笑いかけた。

 「すっきり?」

 「あ、うん…」

 理由は分からないし、何でそれをロキが知っているのかも分からなかった。

 

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