神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 「生きることって難しいね。死ぬよりきっと難しいんだよ」

 寝転がるシャクナの頭の前に立ち、シャクナの顔に手を翳したロキが真面目な顔で呟いた。

 「ましてや、君はずっと。逃げていて抗うことも知らなかった。それに僕によって今までの恐怖も消えてしまった。君は、恐ろしくて堪らないだろうね。世界を知らないのに、人の醜さばかりを知ってしまっているから」

 だけどね、と続ける途中で目を閉じ、ロキは不思議な声色で呟いた。



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