神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 そんなミッシェルをロキが抱きしめた。

 「…わがまま」

 「…ごめん」

 ボロボロと流れるミッシェルの涙がロキの服に染みを作る。

 「不器用」

 「…ごめん」

 えぐえぐとミッシェルがしゃくりあげ、体が上下する。

 「…弱虫」

 「…ごめん」

 グッとミッシェルを抱きしめる手に力を込め、ロキは瞳を閉じた。

 「…君はバカだ」


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