涙桜
沖「ったく。そういうところ、昔から変わらないよねえ。」

瑞「昔って本当に昔じゃないですか。」

私は苦笑いをこぼす。

そう、私たちは幾戦の戦いを共に過ごした仲間たちだ。

それぞれの、道に別れた新選組。

でも、私は最後まで誠を見届けた。

平「でも、本当にすげえよな。こうして生まれ変わってもあえるなんて。」

斎「ああ。こういうのを運命というのかもしれないな。」

そう。

わたし達は全員が同じ高校に入学して、全員が前世の記憶を持って生まれ変わったのだ。

過去と、同じ姓で。

瑞「入学式が懐かしいですねえ。」

原「ああ。俺らはお前を見た瞬間一瞬で誰変わったよ。」

沖「相変わらず、迷子みたいな顔してたよねえ。」

瑞「先輩ひどいですよその言い方。」

でも、そうかもしれない。

私は不安で仕方がなかった。

舞と同じ学校になれたのはうれしいが、

この、記憶をわかってくれる人が今までいなかったから。

平「でも、いきなり怖かったよ一君たち!俺と瑞樹を引っ張りだして部室に連れてくるんだもんなあ。」

そう入学式の日、私たちはいきなりここに連れてこられたのだ。
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