涙桜
そこから軽いミーティングを行い私たちは解散した。

近々土方さんの歓迎会をするらしい。

そして、私たちは帰り道を歩いている。

沖「でもまさか土方さんが完全におもいだしてないなんてねえ。」

原「ああ。まあ、すぐに思い出すって。気にするな。」

瑞「はい。私は大丈夫です。」

斎「あまり無理はしないほうがいい。」

平「ああ。ショックなら空元気するなって!!」

みんなの言葉が今の私にはつらい。

だって、本当に思い出してくれるんですか?

元気でいなければ私は足元から崩れてしまいそうで

泣いてしまいそうで。

そのまま私はみんなと別れて家に帰る。

だけど、その前に公園による。

そこには八分咲きの桜。

どうしてだろう。

あの時と変わらないはずなのに。

貴方が、私の胸の中で亡くなったときよりも

悲しく見えるのはなぜなの?

「うそつき・・・・」

“生まれ変わってもお前を覚えている”

「うそつき・・・・」

“お前を一目みただけでわかるだろうよ。なんだってお前以上にいい女なんていねえからな”

「う、そ、つ・・・き・・・・」

“瑞樹、愛してる”

「うわあああああああん!!!!」

私は泣き崩れる。

思い出とは時に残酷なもので

刃よりも鋭く私の胸を切り刻む。

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