キウイの朝オレンジの夜


 やばい、今の。・・・あたし、嬉しかった・・・。

 ドクドクドク、と鼓動が耳の中で跳ねる。

 体温が一気に上昇し、顔が真っ赤になったのが判った。

 あああ・・・どうしよう。ちょっとちょっと、落ち着いてよ、あたし!

 優しさを感じてしまった。それが、どストライクに胸に来た。

 隣にバレないように、深呼吸が出来るだろうか。や~だ~・・・まっかっかだよ~!

 瞳が潤みだしたのまで判ってしまった。急激にいろんなことが頭の中にあふれ出す。あたしはそれを処理できずにオロオロと落ち込む。

 ・・・ああ。神様。

 やっぱり、意識だったんだ。今までのも全部。やっぱりやっぱり、あたし、あたしは―――――――


 前の車のテールライトが滲んで霞む。溢れそうな感情を空気と一緒に飲み込んだ。



 稲葉さんが、好き、なんだ・・・。



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