キウイの朝オレンジの夜


 ・・・酒飲んであの上司と対面なんて、絶対無理。あたしトチ狂うかもしれない~(泣)

 だってだって、きっと浴衣姿で、しかもしかも、酔ったりなんかされちゃったら・・・うううー!妄想が暴走してるぜ。

 菜々は隅で立って一部始終を見ていたらしく、手をヒラヒラふってあたしに言った。

「・・・あのキラキラオーラから逃げようとしてんの?それって無理だよ、諦めな、玉」

「うううう~!!」

 あたしはその場で地団駄を踏んだ。

「潔く告って見事に散りな」

「そんなことになったら退職してやる」

「・・・どういう脅しよ、それ」

 やれやれとため息をついて、菜々は痛そうな顔をした。

「・・・・ほんと、お疲れさん」

 ほんと、お疲れさんだよ、あたし!





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