キウイの朝オレンジの夜


 大好きだった、以前は確かに大切にしていた恋人は今ではもう他人に戻ってしまったけど。

 だけど、これで気持ちの整理も済むはずだ。

 傷をえぐれなくて逃げていた、光との思い出を処理すること。仕事にかまけてあたしは逃げていたんだ。だけど、やっと今晩は泣けたし、それを本人に慰めてもらえた。

 それってどんなにか幸運なことだろうって、思う。


「大好きだった、玉緒が、本当に」


 そんな言葉を貰えるとは思ってなかった。

 あたしは笑ったままで泣く。光の目も潤んでいたけど、武士の情けで突っ込むのはやめておいた。

 そして眠った。大きなベッドで、手だけを繋いで。

 もう他人だったけど、恋愛感情とは違うけど、大切な人になるんだろうと思った。



 これで本当にあたしは長かった恋を終わらせた―――――――。



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