キウイの朝オレンジの夜
それに、あの優しい女性社員さん。格好よかったなあ!職域担当の営業部で憧れていた先輩にちょっと似ていた。
前に向かってそうな強い視線と、柔らかく崩れる素敵な笑顔が。
帰りにエレベーター前で男性社員と待っているところを見かけたので、お礼を言ったのだ。すると、これまた優しく微笑んで名刺をくれたんだった。
あたしは寒風吹きすさぶ駅のホームで、温かい気持ちでその頂いた名刺をじいっと見ていた。
『企画営業部 係長 梅沢翔子』
・・・翔子さん、て言うんだぁ~・・・。うーん、名前と雰囲気がぴったりあってる。指輪はしてなかったから独身なのかな?嬉しい、憧れの対象となるような人と出会えて!
るんるんと支部に帰宅する。
今日は挨拶だけなので、既に数人しか職員も残っていなかった。
お疲れさま~!とその残りの全員に迎えられて、あっちこっちから雑煮だのお箸だのが突き出される。
あたしは幸せにそれを受け取り、ホワイトボードの前で構えていた副支部長にピースサインと共に成果を発表した。
「おおお~!今年一発め!さっすが玉ちゃん!」
大久保さんが背中を叩いてくれる。