変わった同居人
初めて買い物へ一緒に行った時
私が食べるものと淡島さんが食べるものを分けなくて良いと言ってくれた。
景子さん達に食事を作る場合、私の分と景子さんの分は分けられていた。
少し高価なお肉や具材は景子さん達家族のお皿。
私の分は限られたお金で自炊であった。
だけど
「どうして同じ豚肉なのに種類を分ける?」
「こちらが淡島さんの分でこちらが私の分です。」
「俺もこっちを頼む。2つも要らない。
こだわりかと思っていたが……ならこの野菜の見切り品も戻してきてくれ。希が体調崩したら困る。」
見切り品で体調なんて壊れないのに……心配してくれるなんて…
「分けて作らなくて良いのですか?」
「…俺は希と同じものを食べたい。…ダメか?」
――ダメなわけがない。
私はペコリと頭を下げて微笑むしか出来なかった。嬉しすぎて声が出なかったんだ。