変わった同居人
「……ねぇ、樫木。」
「琉生で良いよ。」
2人歩きながらそんな会話をする。
今日はやけに樫木の声が近く感じる。
……同じ傘に入っているから当たり前なのだろうけど。
「……どうして今頃私と仲良くしてくれるの?」
ずっと気になっていたこと。
「時間ねぇな…と思ったから。」
いつもみたくおどけた調子ではなく、低い落ち着いた声。
「時間?」
「ふっ…中3なのにな。
もう遅ぇかと思ったけど…このまま終わるの嫌だから。」
一体、何を言ってるのだろう?