変わった同居人


結局、景子さんの申し出は断られ


帰り道、チラリとペットショップを覗くと今朝方見た犬は買い取られてもう居なかった。




「その時のお前の優しい顔が忘れられなかった。」




しとしと


しとしと…



まだ雨は降り続けている。




「樫木…」


「悪ぃ。受験なのにな。
……返事は終わってからで頼む。
だけど、俺のこと避けないで?」




「……樫木は見る目がないね。」




彼が私の傘から走り去った後、ポツリと私は呟いた。
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