変わった同居人
「では一口だけ…」
「じゃあ、俺も。」
シャリ…と口の中に広がるレモンの味は少しすっぱく、けれどどこか甘かった。
「レモン味もおいしいですね。」
「だろ?
俺、久しぶりに食べたけどやっぱりこのアイスが一番かな。」
今日の淡島さんはどこか子供っぽい。
こんな感想おかしいかもしれないが、可愛いと思った。
「そういえばこうして兄とアイスを食べたことがあります。」
十年も前だ。
だから兄の顔もほとんど覚えていないけれど、少しだけなら兄との思い出を覚えている。