変わった同居人


あぁ、何故今こんなことを思い出したのか分かった。




「ちょうどこの時期なんです。兄が消えた日。
――…今日みたいに雨の降る蒸し暑い日でした。」




「……お兄さんの………お兄さんの写真とかは遺品の中に無いのか?」




「えぇ…
あ、……一緒に遺品見てもらっても良いですか?」




淡島さんは一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに優しい顔に変わって




「勿論。」




微笑みながら言ってくれた。


この瞬間私は理解した。


何故私は淡島さんにこんな話をしたのか。




――淡島さんと話すとホッとするんだ、私。


どこか心が温かくなる。
安心しているのだと、そう思った。
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