変わった同居人
「―――いいか、希。
よく聞いてくれ。」
私達は正面に向かい合って座った。
少しだけ淡島さんが身を乗り出して姿勢を正している。
「俺に彼女は居ない。
だから、クリスマスも家で普通に過ごす。希は変な気を遣わなくていいから。」
「そうですか。分かりました。
―――でも、出来たら教えて下さいね。」
私は、気づいてしまった。
あの必死な形相。
樫木と同じだ。
そしてその顔は―――…
――――…樫木が私に告白してきた顔と同じ表情だった。
つまり、淡島さんには現在想う女性が居るということだ。
私がクリスマスに邪魔者になる日はそう遠くない。