変わった同居人
「今日の一年前、希がこの家に来てくれた日だから。」
やっぱり…
「来てくれてありがとう。」
…なんて勿体ない言葉なんだろう。
いつもありがとうと言われる度に思ってしまう。
「私の方が…
…淡島さん…間違ってますよ。」
上手く自分の気持ちを表現出来ない。
感謝しているのはこちらの方だ。
何不自由ない暮らしをさせてもらっているのだから。
だけど、どうしてもぴったりとくる言葉が見つからない。
「希。
俺は希が居てくれてこの一年本当に楽しかったんだ。
だから、これからも宜しく。」
淡島さんは少し照れながらもケーキを片手にそう言ってくれた。
「こちらこそ宜しくお願いします。」