変わった同居人
「だけどそれは真っ赤な嘘で…親父は1人で俺ら子供を養うために朝から夜遅くまで働いてくれてたんだ。」
「…………」
「家にも帰れないぐらい働いてて…だから親戚に預けたんだってさ。」
「…………」
「でも、頼んでも面倒見てくれるような人じゃなかったから、勝手に行方をくらまして、毎月親戚の家に金振り込んでるらしい。」
「……しかし、その親戚はそのお金を不思議に思わないのか?」
「思わねーよ、金にがめつい人だし。ラッキーぐらいにしか考えてんじゃないか?」
「…………そうか。」
気づいた時には目の前の男の話に聞き入ってしまっていた。