変わった同居人
「……やっぱり美味い。」
「ありがとうございます。」
幾分か先程の淡島さんの顔の強張りがなくなってきていた。しかし、卵焼きを飲み込むとすぐに戻ってしまった。
「……さっきの発言は忘れてくれ。」
「そんなに気にしなくても良いですよ?」
「え?」
「何も変なこと聞いてないじゃないですか。
……確かに中学生になるとその手の話は敏感になりますが、私には関係ありませんから。」
他人に対して憧れを抱くなんて。
私は自分の道さえ分からないというのに。