ヘタレ少年と恋模様
どうやら従うしかないようです


入学式から早5日。

昼休みのせいもありがやがやと賑やかな教室の中、俺は自分の机でうつ伏せになっていた。


これはただ単に眠いからじゃない。

必死になってこれからどうすればいいのか模索しているからだ。


俺の予定だったら、今頃はそれなりに話せる友人が出来ているはずだった。



なのに。


友達一人も出来ねぇ……。

というか男友達が出来ないぜ。

これは絶望的だ。


どうして男友達が出来ないのか。


むしろ女友達は出来たんだ。


でもそれは俺がチャラいとかモテるとかそういう安易な理由じゃない。


半分は俺のせいで、もう半分は運の悪さだ。



まず、俺のせいという部分を説明すると、悪化した風邪が長引いてしまったことだ。

入学式から俺は2日間も寝込んだ。


もし俺がどんな状況にも対応できて人懐こいやつだったら、こんなふうに悩みもしなかっただろう。

遅れてクラスと対面することになった俺は、馴染めるはずもなく。


だって行ったときには自己紹介、終了済みだったんだぜ?


そりゃないよ先生。

普通待っててくれるもんじゃないの?


これが原因その1。


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