ヘタレ少年と恋模様
でもこれだけならまだ頑張れた。
更にあることが追い打ちをかけた。
そう、運の悪さだ。
普通、一番最初の席は苗字のあいうえお順で決められる。
俺は山村だから、大体いつも端っこで後ろのほうだ。
案の定、俺の席は後ろから二番目、廊下側だった。
ここまでは予想通り。
しかし、ここからが予期しない出来事だった。
それは俺の周りが女子でいっぱいだったんだ。
こういうとまるでハーレムみたいだから、ちょっと訂正。
上下横、斜めの席まで全てが女子だった。
つまり近くに男子がいない。
完全に男子から隔離されてるわけだ。
みんなの名前はわからないし、話しかける勇気もない。
そんな俺を見かねて声をかけてくれた近くの席の女子たち。
その時俺は話し相手が欲しかった。
だからその気遣いが嬉しくて、凄い笑顔で対応していたんだと思う。
しかも何故か女子たちと俺の趣味が似ていると判明。
さらに会話が盛り上がり、今の状況に気づいたときにはもう遅かった。
端から見れば、まるで女好きで女子を手玉にとりヘラヘラ笑っているチャラ男。
そういう状態に見られていると悟った。
ああもう俺のばか。
女子には声を掛けられることが多くなった代わりに、男子たちからは遠巻きにされ。
そして、今の状態に至るわけだ。