ヘタレ少年と恋模様
この会話は数日前の幼馴染みとのものだ。
そして目の前のこの少女。
彼女は不良だという。
これは実にまずいんじゃないのか?
刀はさすがに見当たらないが、少女の胸ポケットは膨らんでいる。
まさかあそこに拳銃が?
そう思うと今すぐ逃げたい衝動に駆られる。
俺は急いで立ち上がった。
「少年、ちょっと待ちなよ」
そう言って彼女は胸ポケットへと手を伸ばした。
やばい、殺される。
口封じされるぞ、やべぇよ!
足が震えてもはや後退りしか出来ない。
ああ、俺って情けないなあ…。
自分の不甲斐なさが身に染みて、嫌になる。
さらに頭もクラクラしてきた。
そういや俺、今日は高熱で休んだんだっけ。
こんなことになるなら、大人しく家で寝てりゃよかった。
後悔してももう遅い。
少女はゆっくりと胸ポケットから取り出した。