ヘタレ少年と恋模様
「少年、飴ちゃんあげるよ」
は?飴?
胸ポケットから取り出したものは間違いなくそれの形をしていた。
しかしそれはパカッと開いた。
そこからは数個のあめ玉。
俺が相当不思議な顔をしていたのか、少女は説明を加えた。
「ああ、このケース?カッコイイだろう。拳銃っぽくてイケてるんだ。あたしの愛用品」
なんだよそれ…。
そんなのわかんねーよ…。
もうダメだ。
安堵と恐怖と高熱と。
ふらふらとその場に座りこむ。
「おい、少年?」
やべぇ。
凄くしんどい。
そして熱い。
「少年大丈夫かっ」
少女は駆け寄ってきたけど、俺はもう完全にダウンしていた。
朦朧とする意識の中、ふわりと頭に冷たい感覚を感じて目を閉じた。