ヘタレ少年と恋模様



目を覚ますとそこは見知らぬ部屋だった。


ここはどこだ…?


ぼんやりと天井だけを見てぼーっとする。



とりあえずどこでもいいや。

頭がズキズキして痛い。


なんか背中も痛いし、髪も湿っているような気がする。

でも今はどうでもいい。
もう少しだけ眠りたい。


そう思って目を閉じた。


「少年起きたか!」

突然聞こえた大声に驚いて目を開く。



目の前にはセーラー服を着た少女と、金色に髪を染め上げた二人の少年が覗いていた。



……誰だっけ。



「ほら、とりあえず水分でも取れ」


考えるよりも先に少女からペットボトルを渡された。


それを黙って受け取る。


「お腹は空いてないか?やっぱり飴ちゃんでも食べるか?」


は?飴ちゃん?


このやり取りどこかでしたような。


そうだ思い出した。

この人不良少女じゃねぇか!


「すすみませんでした!どうか命だけは……!命だけはお助けを!」



とっさに命乞いの台詞を口に出してしまった。

情けねぇ……。

でも、恐いんだよ。

特に後ろの金髪少年ふたり。


「茜さん、こいつやっぱり」

短髪で爽やかさの漂う金髪少年1号は確信のこもった瞳で少女をみる。


「ああ。間違いないな」


それに頷く少女。

焦る俺。

なんなんだ!
俺、何かしたのか?

謝って命乞いしただけだよな?



今まで無言だった金髪少年2号(よくみると瞳が青い。まさか外人?)は俺をみて言った。


「間違いなく熱でイカれてる」


はあ?


「しかも時代劇の観すぎだな」


はああ?


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