ヘタレ少年と恋模様
拳銃はダミーということがわかったけど、もしかしたら本物を持っているかもしれない。
それに、まだ刀を振り回すって噂もあるんだ。
俺はまだ死にたくない。
俯いていた少女はパッと顔を上げた。
やばい、今度こそ殺られる!
「すまん少年!」
殺られる、そう思って閉じていた目を開けると、土下座した少女がいた。
ええ!?
今俺土下座されてる!
「ちょ、なに土下座なんてしてんですか」
「いや、ここは土下座させてくれ。少年の風邪を悪化させてしまって悪かった。でも元はといえば少年が悪いんだ、あんなところで倒れるから」
「す、すみません」
「とりあえずここに担いで来たが、少年があまりにも辛そうだったから頭に水をかけてしまった」
だから、頭が湿っていたのか。
てか担いだの!?
「ああ、ほんとすまん。あたしの行動が悪化させていたとも知らずに、少年を頭のイカれた時代劇野郎扱いしてしまって」
「す、すみません」
それは一体どんな扱いなんですか……。
それと、俺はなんで謝ってるんだろう。
「い、いい加減土下座なんてやめてください」
この人は自分のことを不良って言ってたよな。
なのになんでこんなにヘコヘコしてるんだろう。
俺の不良のイメージと違う。