ペーパースカイ【完結】
「それはもちろんよ!それだったらいいお部屋、さっそく探さないとね」

ほらほらほら、嬉しそうな顔、押し殺しちゃってさ。

隠したってバレバレの、弾んだ声が耳に障る。

「部屋は自分で探すから、ほっといていーよ」

明日中にでも、とっとと探してくるもん。

「…ごめんね苺。ママ、わがままばかり言って。

せめて、あんまり遠くない所に部屋決めてね?心配だから…」

三流女優か?このヒト。

急にしおらしい事、目を潤ませて言ってみせてる。

呆れて物も言えない。

ぐうの音も出ない。

「連絡もマメに、ちょうだいね?ママも、もちろんするから」

「………ちょっとでかけてくる」

…も、ほっとこ。

ハァ……………。

とりあえず、幸太のとこにでも行こうかなぁ……。

なんか、脱力しちゃったし。

なんか、胸とか痛いし。

なんか、吐き気もするし。

なんか……………

なんか、淋しいし。
< 100 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop