ペーパースカイ【完結】
〈k〉輪子:ファミリー
苺の彼氏は、十分も経たないうちに病室から出て来た。
そして私やお父さんには目もくれず、黙って足早に立ち去って行った。
驚いて、思わずお父さんと顔を見合わせ、慌てて病室に戻ると。
苺は、泣いていた。
かなり派手に、泣いていた。
それなのに、私と目が合った瞬間、声を立てて笑った。
「あはははは~ぁ!!…あ~あ、…おかしい」
「…どしたの苺。彼氏、なんで帰っちゃったの?」
「えっとねぇ、今、もう別れたから」
「え!?なんで!?」
ティッシュで鼻をかみながら、苺は答えた。
「決まってるじゃんっ!またニセモノの王子様だったからだよぅ!!
…あ~あ。
…やっぱあたしって、アタマ悪いのかなぁ?ね、輪子ちん」
なんだか、さっきまでの苺とは別人みたいに、嘘やヤセ我慢じゃない本当の意味で、
ケロリと笑ってる。
だから私は。
「そうだってば。もう十年も前から私、言ってるでしょ?
男運じゃなくって、悪いのはイチゴアタマだって」
いつものように、答えてみた。
「やっぱそーかぁ~!!輪子ってば、あたしよりもあたしの事
よく知ってんだね」
「まぁね」
そりゃあそうよ。
愛してるからね。
そして私やお父さんには目もくれず、黙って足早に立ち去って行った。
驚いて、思わずお父さんと顔を見合わせ、慌てて病室に戻ると。
苺は、泣いていた。
かなり派手に、泣いていた。
それなのに、私と目が合った瞬間、声を立てて笑った。
「あはははは~ぁ!!…あ~あ、…おかしい」
「…どしたの苺。彼氏、なんで帰っちゃったの?」
「えっとねぇ、今、もう別れたから」
「え!?なんで!?」
ティッシュで鼻をかみながら、苺は答えた。
「決まってるじゃんっ!またニセモノの王子様だったからだよぅ!!
…あ~あ。
…やっぱあたしって、アタマ悪いのかなぁ?ね、輪子ちん」
なんだか、さっきまでの苺とは別人みたいに、嘘やヤセ我慢じゃない本当の意味で、
ケロリと笑ってる。
だから私は。
「そうだってば。もう十年も前から私、言ってるでしょ?
男運じゃなくって、悪いのはイチゴアタマだって」
いつものように、答えてみた。
「やっぱそーかぁ~!!輪子ってば、あたしよりもあたしの事
よく知ってんだね」
「まぁね」
そりゃあそうよ。
愛してるからね。