ペーパースカイ【完結】
「初めまして!憧子のママです!ナニ君?」

キラキラした目でママが芳明に一歩近づいた。

「あ、初めまして…坂井です」

芳明、何気に引いてるし。

「ふーんふーん…かっこいいね!憧子ちん、すごいじゃん!

彼氏いるなんて知らなかったよぉー!!」

そりゃあだって…まだ、つき合い出して一ヶ月だもん。

キスだって… さっきのが初めてだもん。

私の考えてることなんかおかまいなしのママは

「うっらやまっしいなっ♪ふんふふんふふーん♪」

ニコニコしながらなんだかやたらご機嫌で、へんてこな歌を歌いだした。

「もう、ワールドだよね。」と。

いつだか何度か輪子さんと話したことがある。THE・苺ワールド。

これに敵う人はそうそういないよね、なんて。

まったく、ほんとーにその通りだと思う。

せめて今ここにいるのがママじゃなくって輪子さんだったらなぁ…。

こんな恥かかないで、すんだかも。もう、口から炎吐けちゃいそうなくらい

全身真っ赤だよ私。熱い。芳明の顔も、まともに見れない。

「あ、そうだ!坂井君、うちでご飯一緒に食べない?今日はすき焼きだよぉ~!」

引き続き、子の心、親知らず。な発言は続く。

「いや、でも…」

「ねっ、お鍋は人数が多い方が楽しいし、おいしいもん★」





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