ペーパースカイ【完結】
私、そんなこと言ったのか…。

全然、覚えてないや。

私は、返事の代わりに「ついてるよ」と

ママの鼻の頭に指をのばして泡を拭いた。

「ありがとー!」

ニコニコ。

明るい笑顔に、素直に笑顔を返せない。いつもそう。

輪子さんには、色々相談に乗ってもらったりもしてるし、素直になれるのに。

『輪子さんがママだったらいいのに』って思ったことも、ほんとのこと言えば何度もある。

だってママはいっつも能天気で、おっちょこちょいで、なんだか子供みたいなんだもん。

いつだかそう愚痴った時に「そこが苺の魅力なのよ」って輪子さんは笑ってたけど

私には、よくわかんないな…。

もしかして、ママがあんな感じだから、私のパパって人も愛想尽かしたんじゃないかな?

なんて勘ぐっちゃう。
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