ペーパースカイ【完結】
「だからぁー。将来二人が結婚してー、赤ちゃんできたら芳明くん

いーパパになるじゃん!!ってこと★」

「………」

こういうの、よく言えば『無邪気』って言うのか?

私には、『無神経』としか思えないんだけど…。

「そういうこと言うの、やめてよ」

隣に芳明がいることも忘れて、私はママを睨んだ。

「照れなくたっていーじゃん!だって憧子ちん…」

「もー!!やめてよっ!!」

ぽかん。

思わず叫ぶように怒鳴った私を、その場にいる全員が、いっせいに見た。当然、芳明も。

恥ずかしい。恥ずかしい。大好きな人にこんなところ見られたくないのに。

なのに… なんで、ママは、そうやって。

人の気持ちなんて、おかまいなしで、はしゃいで。

室内にはピコピコボーン!とゲームの音だけが鳴り響いた。

そして私は「なになに?どうしたの?」とエプロンで手を拭いながら居間に入ってきた

輪子さんと入れ違いに部屋を出た。
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