ペーパースカイ【完結】
憧子が生まれた時も、苺子が生まれた時も。

あたしは天国まで走って行って、輪子ママに二人を抱っこさせたいって思った。

輪子ママが突然この世からいなくなってしまった悲しみを乗り越えた後に

こんなにも素晴らしい新しい命を輪子もあたしも授かったんだよって。

みんな元気に楽しく生きているよって。

誰よりも輪子ママに伝えたいって思ったんだ。

そして今日のこの幸せな出来事も、天国までダッシュ!したいくらい

あたしは嬉しいんだってこと、伝えたいんだ。


輪子ママ、見ててくれてるよね?


食卓が片付いた後、あたしは遺影の前に座ってりんを鳴らし、手を合わせた。


そして、みんなが集まってる居間に入って、嬉しい気分のまま憧子に声をかけたら…


「もー!!やめてよっ!!」


え!?


突然、憧子が爆発して、部屋を出て行ってしまった。


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