ペーパースカイ【完結】
苺子にバニラアイスを渡した後、あたしはまだドキドキする胸をおさえて

お盆にバニラとチョコのアイスを乗せて階段をゆっくり登った。

…芳明くんが行ってくれたから大丈夫、かも。でも…

…あたしが悪いんだから、ちゃんと憧子に謝りたいな… でも…

…また変な水差しちゃったりしたらどうしよう… でも… でも…

頭の中で、色んな思いがいっぺんに交錯する。

ぐるぐる、目まぐるしい。ああ。どうしようかな。困ったな。こまっ…



ダダダダダダダン!!!



上の空で階段を登っていたあたし、突然景色がものすごい勢いで回った。



あれ?なにこれ?どうしたのあたし??


身体中が痛い。何が起きたの??


「キャーーーーッ!!!」

「動かすな!!!」

「救急車!!!早く!!!」


遠ざかっていく意識の端っこで、『アイスは、どーなったんだろう?』

なんてことを考えた。


瞬間、世界は暗転した。

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