ペーパースカイ【完結】
「もしもし?」

「あ、俺。あのさ、明日の事なんだけど…ダメになっちゃったんだ」

「え?…どうして?」

「バイト先から人足りないから出てくれって頼まれて…

ごめんな、久しぶりだったのに」

「ううん。それならしょうがないよ。また、今度にしよう」

「ほんっとにごめん!来週の日曜は、絶対二人で遊ぼうな」

「うん」

「また連絡するから」

「うん」

…私達の「来週の日曜」って、いったいいつになったら来るんだろう?

…なんて。

苺に気がつかれないように、小さなため息とともに携帯を切った。

何かあったの?ってさっき苺は聞いてきてくれたけど。

そして、特に何があったってわけじゃないって答えたのも、本当の事だけど。

「今の、陽司君から?」

「あ、うん。そうだよ」

「いいなぁ~ラブコールだぁ~~~!!!」

ビーズクッションを抱きしめながら、くにゃくにゃと肩を揺らして無邪気に笑う苺。

「あはは」

ごめんね。

本当は

『ノーラブコール』

だよ、苺。

私は陽司の事が大好きで、大切に思ってる。

陽司も私の事が大好きで、とても大事にしてくれてる。

だけど。
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