ペーパースカイ【完結】
ぬるいような、暖かいような風が吹いている。

こんな真夜中に、輪子さんと二人で外に出るなんて初めてだ。

踊る長い髪を片手で押さえつけて、輪子さんは少し前を行く。

きれいな人だな。なんとなく、改めてそう思う。

いつだか友情のなれそめを聞いた時にママが

「あたしが輪子を先に見つけたのっ★めっちゃきれいだったから

すぐ声かけちゃったのっ★その頃はショートでね、それがまた似合っててね、

ママ、輪子と仲良しになれたのがすっごいジマンだったんだー」

と、得意げに言っていたのを思い出した。

「憧子、どっか行きたいとこある?」

外灯に照らされたママのジマンの友達が振り向く。

「ううん、別に」

「じゃ、私の行きたいところ、行ってもいい?」

「いいよ。どこ?」

「くじら公園」





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