ペーパースカイ【完結】
朝一で病院に向かう途中、芳明から約束通りメールが来た。
私が、今日は学校を休んでママのお見舞いに行くと返信したら、
『俺も落ち着いたら一緒に行かせてほしい』と返ってきた。嬉しかった。
昨夜とは打って変わって病院は明るく、たくさんの人々が行き交っていた。
途中で買ったきれいな花籠をぶらさげてママの病室に入ったら看護師さんが
「今、MRIの検査に行かれてますよ。もうすぐ戻られるからお待ちくださいね」
と言った。
ママは頭を強く打って脳震盪を起こしていたらしい。
目覚めるまでに時間がかかるとだいぶ厄介なことになっていたそうだが
そこまでの大事には至らなかった。
ただ、頭に受けた衝撃は油断ならないものらしく、検査を受けて
一、二週間は安静にしていなければ、何事が起こるかまだ予測できないということだった。
そのいちいちの説明を、輪子さんと二人、神妙に聞き入った。
すでに退屈で、今にもぐずりだしそうな苺子は、それでもおとなしく
輪子さんの手を握りしめていた。
パイプ椅子を出し、しばらく座っていたら、病室のドアが静かに開いた。
私の心臓が、きゅっとすぼまった。
私が、今日は学校を休んでママのお見舞いに行くと返信したら、
『俺も落ち着いたら一緒に行かせてほしい』と返ってきた。嬉しかった。
昨夜とは打って変わって病院は明るく、たくさんの人々が行き交っていた。
途中で買ったきれいな花籠をぶらさげてママの病室に入ったら看護師さんが
「今、MRIの検査に行かれてますよ。もうすぐ戻られるからお待ちくださいね」
と言った。
ママは頭を強く打って脳震盪を起こしていたらしい。
目覚めるまでに時間がかかるとだいぶ厄介なことになっていたそうだが
そこまでの大事には至らなかった。
ただ、頭に受けた衝撃は油断ならないものらしく、検査を受けて
一、二週間は安静にしていなければ、何事が起こるかまだ予測できないということだった。
そのいちいちの説明を、輪子さんと二人、神妙に聞き入った。
すでに退屈で、今にもぐずりだしそうな苺子は、それでもおとなしく
輪子さんの手を握りしめていた。
パイプ椅子を出し、しばらく座っていたら、病室のドアが静かに開いた。
私の心臓が、きゅっとすぼまった。