ペーパースカイ【完結】
もちろん、あたし自身は、自分の人生幸せ過ぎるほど幸せだって思ってるけど。

主に恋愛面では、泣いてばっかりいたからなぁ。

そこのところは似て欲しくないなって思ったんだ。でも。

小学生になった憧子に、ある日ふと「好きな男の子はいないの?」と聞いた時に

「そんなのいない。好きな人なんか作らない」

って言われた時は落ち込んでしまった。

「ママとパパみたいになりたくないから」なんて。

やっぱり、あたし、間違ってたのかなって思った。

それまでの生き方、自分一人じゃなく、娘にまで影響してしまったことを悔やんだ。

ごめんね、憧子。

言えなかったけど、心の中で何度も謝った。

でも、今の憧子には好きな人がいる。彼氏がいる。

それ、どれほどあたしが嬉しかったか、憧子はきっと知らない。

嬉しくって嬉しくって、はしゃいだ挙句に憧子を怒らせて、

そっから後の記憶を失くすほど、頭打って倒れた(らしい)あたし。

んー。

そう考えると、なんていうはた迷惑な親なんだろ、あたしって。

輪子たちにとっても。いつだって迷惑や心配ばっかりかけてるよなぁ。

はぁ。なんか、落ち込んできた。

ママじゃなくてもこんな人生、娘には送ってほしくないや。

あたしはそこまで考えて、布団を頭から丸被りした。



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