ペーパースカイ【完結】
『恋』という不思議な心の動きに、私は戸惑ってばかりだ。

片思いをしていた頃とは別種の胸の痛みが走るたび、息が出来なくなるほど苦しい。

キラキラと目が痛むくらい眩しい海面を眺めながら、芳明といる。

そんな今がいつかは思い出になるのかと、本当は気が気じゃないのに

私は彼にはそれを気づかれたくない。

ずっと一緒にいたい。なんてことも言えない。

もしも。

もしも私がママみたいだったら言えたのかな。

いつでも素直なところ、それがママの魅力だと輪子さんが言ってたように

大好きな人にずっと一緒にいたいって正直に言えるのであれば

ママのそこは確かに美点なのかも知れないと、少し思う。

うらやましいな、とも思う。

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