ペーパースカイ【完結】
ビールを飲んで、飲んで、飲んで…

「おぉーーい!!憧ー子ちーーん!!」

おサルのように真っ赤な顔をして、すっかり出来上がった苺はドンドン憧
子の

部屋のドアを叩いた。

「ちょっと、苺!!うるさいってば、ご近所迷惑!!」

また階段から落ちられてはたまらないので、私も付き添いながら

小声でたしなめる。はぁ…。

しまったな。私の言葉が苺を酔っ払いに仕上げてしまった。

まったく、この子は昔っから、酔うと明るい陽気なおサルさんに変化する。

特に、悲しいことがあった時ほど。

「あーーこーーーちーーーん!!ご飯食べよーーよーー!!

あこちんの大好きなエビフライもあるよぉーーー!!」

あ、ダメだこりゃ。手に負えない。

きっと憧子もそう思ったのだろう。観念したかのように、部屋から出て来ると、

モノも言わずに私たちの前をすり抜け、階段を下りていった。

まだ制服のままだった。
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