ペーパースカイ【完結】
「あんなびしょぬれで帰って来るんだもん、風邪も引くよそりゃ。七度八分」
体温計を見ながらママが呆れた声を出す。
「結構熱あるねー。お腹は?」
「…空いてない」
「じゃ、おかゆ作ろっか。ちょっとでいいから食べて、お薬飲んで寝なさい。ね?」
「うん」
私が病気になった時だけは、ママは妙に母親っぽくなる。
ママが部屋から出て行こうと立ち上がった時、携帯が鳴った。
私がじっと動かずにいると、ママが不思議そうに「出ないの?」と聞いてくる。
「うん。いいの」
「この音って、芳明くんじゃないの?」
「………」
「ケンカ、したの?」
「具合悪い」
私はママに背中を向けた。
体温計を見ながらママが呆れた声を出す。
「結構熱あるねー。お腹は?」
「…空いてない」
「じゃ、おかゆ作ろっか。ちょっとでいいから食べて、お薬飲んで寝なさい。ね?」
「うん」
私が病気になった時だけは、ママは妙に母親っぽくなる。
ママが部屋から出て行こうと立ち上がった時、携帯が鳴った。
私がじっと動かずにいると、ママが不思議そうに「出ないの?」と聞いてくる。
「うん。いいの」
「この音って、芳明くんじゃないの?」
「………」
「ケンカ、したの?」
「具合悪い」
私はママに背中を向けた。