ペーパースカイ【完結】
「おはよーお母さん」

「おはようございまーす。すいません、また泊めてもらっちゃいましたぁ」

食卓に、次々とおかずやご飯やお味噌汁を並べながら、輪子ママは

「あら。そんなの、全然気にしなくていいのよ。輪子の大事なお友達なんだから。

おばさんにとっても苺ちゃんは、第二の娘ってとこだもの」

あたしのブサイク顔を見つめて、優しくほほえんだ。

なるほど。輪子の言った通り、確かに慣れっこだ。

そう思ったら恥ずかしいよりも、なんだか気持ちがホカホカしてきちゃった。

食卓に並んでいるお料理みたいに、ホカホカ。湯気たてて。

「いただきまーす!」

「はい、どうぞ」

卵焼き、ご飯、焼き魚、ご飯、お漬物、ご飯、お味噌汁、納豆かけて、またご飯、ご飯。

「おいし~い!」

「ふふ。よかった!たくさん食べてちょうだいね」

「お母さん、お父さんは?」

「あぁ。とっくに早くから、お出かけよ」

「またゴルフ?」

「そうそう。また腰痛めちゃうんじゃないかって心配だわ、お母さん」

「お父さん、『無理はしないから』っていっつも言うけど、

すぐムキになってはりきっちゃうもんねー」
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