ペーパースカイ【完結】
大学にだってバイト先にだって、いっぱい女友達、いるじゃない。

サークルや飲み会やバイトのために、デートの約束ドタキャンするんなら、

もっとそばにいる女の人とつきあっちゃえば、いいじゃない。

…どんどん卑屈になっていく自分に、うんざりしてしまう。

うつむいた膝の上、つきあい出して初めての誕生日に、陽司がくれた指輪に雫が落ちた。

とっくに車は止まってる。レンタル店の駐車場。

いっそう激しく鳴る雨音の中。

どんどん涙が止まらなくなった。

「泣かないで、輪子。ごめんな俺…輪子の気持ち、全然考えてなかったよな」

抱き寄せられた、陽司の胸。

世界一大好きな、陽司の匂い。

唇に、優しくかぶさる陽司の唇。

世界一大好きな、陽司の感触。
< 24 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop