ペーパースカイ【完結】
「本当に、ごめん」

世界一大好きな声。

世界一大好きな顔。

世界一…………

世界一、最低で最悪な私。

今、何を考えていた?

陽司の体温を、こんなにも近くで感じているのに。

ワタシハ、モウ、ヨウジジャナクタッテ、イイノカモシレナイ………

初めてまだらに塗ってしまった、残り少ない生クリーム。

もうときめかない、陽司とのキス。

認めたくなんか、ない。

でも………。

結局その日はDVDを借りず、そのまま陽司に家まで送ってもらった。

「じゃあ…またね」

「うん…」

その夜、クラスメートの有希から来たいつもの誘いのメールに、

私は少し躊躇いながらも、初めて『いいよ』とメールを返した。

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