ペーパースカイ【完結】
「からかわないでよぅ!恥ずかしいよ~!!!」

戻ってきた山中君は、せめて飲み物くらいでもと言って、

私にもコーヒーを買ってきてくれた。

改めて席に座った山中君と苺は目を合わせ、一瞬、ほほえみあった。

「えっと~…この子があたしの中学から一番仲良しの女の子で、

綿引輪子ちゃんって言うの。J高の二年生」

「ほいで…こっちが、山中智樹君。E高の二年生、で~、…あたしのカレシ…」

私達を紹介しながら、またまたみるみる真っ赤になっていく苺。

「苺、緊張し過ぎ!」

と思わず私が笑うと、

「かわいいな、相川さん」

さらりと山中君は、『コロシ文句』を言った。

それはあまりにも自然過ぎて、危うく聞き流してしまいそうなトーンの声だったけれど。

まるで、自分が言われたみたいに、一瞬胸がドキっとした。

あぁ苺。

あんたはほんとについに、「王子様」を見つけたんだね。
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