ペーパースカイ【完結】
「二人ともさ、同じアパート…てか下宿?みたいなとこ住んでんだけど」
昨夜、渋谷で待ち合わせた有希が、アツシ君と八代君に会う前に言ってた。
「なんかねー、トイレとか洗面所とか共同なの!だからS駅に近いわりには、
家賃めっちゃ安いんだってー」
有希は、高一の時のクラスメートだった。
彼女と同じ中学出身の子たちに聞いた話によると、父親はアル中で、
母親は彼女がまだ小学生の頃、よそに恋人を作って家を出て行ったらしい。
一緒に暮らしていたお祖母ちゃんが亡くなってからは、
年上の彼氏の部屋から毎日登校していた。らしい。
なんだかちょっとだけ、苺と境遇が似ている。
と、その時私は思った。
苺の家は、早くに父親が亡くなり、昼も夜も馬車馬のよーに働く母親とは、
めったに顔を合わせない。
テーブルの上にはいつも、銀行の封筒に入ったお金が置いてあり、
時々その封筒に苺にあてた短い文章の手紙が書いてある事もあるそうだ。
けれども、以前苺に有希の話をした時に、苺はとても怒っていた。
「似てないもん!だってあたしは好きな男の子としか、エッチしてないもん!!」
昨夜、渋谷で待ち合わせた有希が、アツシ君と八代君に会う前に言ってた。
「なんかねー、トイレとか洗面所とか共同なの!だからS駅に近いわりには、
家賃めっちゃ安いんだってー」
有希は、高一の時のクラスメートだった。
彼女と同じ中学出身の子たちに聞いた話によると、父親はアル中で、
母親は彼女がまだ小学生の頃、よそに恋人を作って家を出て行ったらしい。
一緒に暮らしていたお祖母ちゃんが亡くなってからは、
年上の彼氏の部屋から毎日登校していた。らしい。
なんだかちょっとだけ、苺と境遇が似ている。
と、その時私は思った。
苺の家は、早くに父親が亡くなり、昼も夜も馬車馬のよーに働く母親とは、
めったに顔を合わせない。
テーブルの上にはいつも、銀行の封筒に入ったお金が置いてあり、
時々その封筒に苺にあてた短い文章の手紙が書いてある事もあるそうだ。
けれども、以前苺に有希の話をした時に、苺はとても怒っていた。
「似てないもん!だってあたしは好きな男の子としか、エッチしてないもん!!」