ペーパースカイ【完結】
休み時間にも苺が私のもとにやってくるようになった頃、

時々クラスメートから冗談まじりに


「あの子、輪子に異様になついてんね。うっとーしくなんない?」

とか、


「あの子、もしかしてマジで輪子の事好きなのかもよ」


とか言われると、なぜかものすごく腹立たしくなって、

自分だって苺がどんな子かまだよく知らないくせに、


「あの子の事、なんにもわかってないくせに」


なんて思ったりしていた。

実際苺は、その言動だけをはたから見ていたらとても信じられないかもしれないけれど、

私が今まで知り合った中で最も

「うっとうしくない女」

だった。

基本的に、女というのは大なり少なりの「うっとうしい要素」が

必ずある生き物だと、私は自分の中のそういう「女らしさ」も含めて、

ずっと思っていた。
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