ペーパースカイ【完結】
あっというまに羽、消えちゃった。

しばらくずっと、忘れてたのにな…。

てゆーか、こんな物まだ必要ないし。

山中君とはまだ、手もつないでないんだから。

うぅ。

なんだかお腹が痛くなってきちゃったよ。

あたしはその場にぺたんと座り込んだ。

もう、中絶なんて、絶対にしたくない。

輪子にさえも言ってない、ううん、言えない。

あたしの秘密。

『中二の夏休み。妊娠と中絶をしたこと』

相手は、別の中学校の一個上の男の子だった。

好きといえば好きだったし、ただの好奇心といえば、確かにそれだけだったかも知れない。

あたしはあれ以来、もう絶対に『大好き』以外の男の子とはエッチしないって、

誓ったんだ。

「ちょっとだけ苺に、似てるような気がするんだよね」

って、輪子が言ってた有希ちゃんって子の事、あたしも本当は

「あたしに似てる」

って思ったけど、輪子には思いっきり

「似てない!!」

って怒っちゃった。

あの時の輪子、すごく驚いてたなぁ…無理もないけど…。
< 44 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop